綾辻行人氏の「館」シリーズが好きです。
とは言っても、最後に「館」シリーズを読んだのはもう5年ほど前(2007年頃でしょうか)。
シリーズ7作目の『暗黒館の殺人』を読んだのですが、内容やオチが「個人的にはちょっと…」だったので、そこからはシリーズをチェックするのをやめてしまい、そのまま現在に至ります。
6作目の『黒猫館の殺人』までは面白かった記憶があるんですけどね。
2週間ほど前にふと「館」シリーズのことを思い出して、「綾辻行人」とAmazonで検索してみると、『びっくり館の殺人』『奇面館の殺人』というシリーズ8作目と9作目が出ていることがわかりました。
そこで早速、『奇面館』を注文してみました。(『びっくり館』の方は、Amazonのレビューを見ると酷評が多いのでやめました)
読み始めてみると面白く、そのまま夜更かしして読み終えるという幸せな読書パターン。
「ふむふむ、そういうオチか。なかなか面白かった」と読み終わったはいいものの、「昔の「館」シリーズはもっと面白かったはず」という記憶がよみがえってきて、6作目までを一気に注文してしまいました。
(7作目の『暗黒館』は、いまいちな記憶しかないので注文しませんでした。そのうち機会があれば…とは思うのですが)
以下、各巻のご紹介。
まずは、「館」シリーズ記念すべき1作目の『十角館の殺人』。
ここから始まったわけですね。
この本を初めて読んだのはもう10年以上前のこと。
その頃はミステリーをほとんど読んだことがなかったので、このトリックはとても衝撃的で、「え!?」となったのを覚えています。
10年経った今読んでみると、オチは分かっているから衝撃を受けることはなかったんだけど、それでも面白く読めました。
会話がちょっと不自然かな、という感覚は残りますが、ここは個人の好き嫌いでしょうね。
2作目の『水車館の殺人』。
以前読んだときは、『十角館』のインパクトが強すぎたせいか、『水車館』にはいまいち衝撃を受けなかったんですよね。
ところが、今回読み直してみると、嵐に閉じ込められた館の中の雰囲気がよく出ていて、読んでて楽しかったです。
まぁ今回もやはり、トリックにはインパクトは感じませんでしたがw
それでもストーリーを楽しめたという意味で、個人的に高評価です。
3作目『迷路館の殺人』。
なるほど、やられたー、と思わせてくれます。
4作目は『人形館の殺人』。
そのトリック、というかそのオチはありなのか?という疑問が残る一冊で、「館」シリーズの中では型破りなものと言えます。
ですが、雰囲気は悪くなく、ある意味、シリーズの中で一番怖いです。
5作目『時計館の殺人』。ページ数は文庫で600ページ強。
4作目までが文庫で400ページ弱だったので、少しボリュームが増します。
その分、読みごたえも十分です。
トリックは見事にやられてしまいました。『十角館』レベルのインパクト。
6作目『黒猫館の殺人』。
このオチは、個人的にはとても好きです。
また、全体の雰囲気、文章の感じはシリーズの中で一番気に入っています。
読後感が爽やか(と言っていいものか)なのもいいですね。
とまぁ、この7作を1週間くらいでだだーっと読みました。
面白いミステリーは楽しく夜更かしできていいですね。